あっという間に涼しくなりまして、暑い間は自宅でコーヒーをつくらない方々も徐々にお戻りになるようになってまいりました。
コーヒーに限りませんが、寒くなってくると濃度があるものを体が欲しますね、深煎が美味しいです。
さて新しく入荷しましたウガンダ・キシンガ水洗工場のコーヒー昨年に続いて2度目の登場です。
前回はナチュラルプロセスのものでしたが、今回は『カーボニックマセレーション』プロセスということで少し解説いたします。
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まず、ここ数年で見かけるようになった嫌気性発酵メソッドについて説明しますと、カーボニックマセレーションも嫌気性発酵の分類となるのですが、washedでもnaturalでもない新しいプロセスと言えます。風味としましてはナチュラルプロセス特有のfruityでsweeterな特徴が、より強化されたような印象です。まろやかな気がします。
嫌気性とは空気に触れないことを指しますので、コーヒーを容器に閉じ込める必要があります。
例えば今回のキシンガWSにあるのはコチラのタンク

発酵なので酵母も投下されますが、さらに二酸化炭素ガスを注入し無酸素状態にします。
このロットに関しましては、チェリーの果肉を除去したパーチメントコーヒーの状態でタンクに投入するので、やはり嫌気性発酵=ナチュラルプロセスの一つ、というわけでもないことが分かります。
ちなみに嫌気性発酵は英語でanaerobic fermentation→アン(否定)+エアロビック(好気性)、
コーヒー業界ではアナエロビックファーメンテーション、なぜか「アナエロ」と略されているのを見かけます。
チェリーの状態のままorパーチメントコーヒーを嫌気性の環境に置き、発酵を促し、乾燥させるのがこのプロセス。ちなみに乾燥の前工程で水洗させるケースもあり、厳密に言えばそうなるとwashedに分類されるので、やはり嫌気性発酵=ナチュラルプロセスでないと言えます。(当ロットはハニープロセスになるかも?)
ということで単にwashed / natural / honeyというより、全く新しいメソッドを経由してより特徴的な香味を付加させてみようというのがここ数年で登場し、流行していると言っても過言ではない嫌気性発酵
もちろんコストはかかってきますので、コーヒー屋さんで見かけても高価なものが多いかと思いますが、ユニークな風味のものばかりでしょうから是非お試しになってみてください。(アナエロのゲイシャです!的な)
そういう意味では当店初の嫌気性発酵商品の取扱となります。ウガンダがまだまだ新興的なおかげでお求め易い価格となっておりますが、なんといってもマセレーション由来の舌にまとわりつくような甘さの伴う質感が素晴らしいです。
浅いですがまろやか、今からの季節にちょうど良いかと存じますので是非お試しください。
コチラ