2014年末
創業して初めての法人取引先が香港のyardbirdというレストランでした。
日本食、日本酒、日本産の食材や飲料とその文化にも造詣の深い彼らとSunday’s COFFEE SHOCHUというリキュールを作ることになり、
「開業してすぐなのに、さっそく色々ビヨンドしちゃってるぜ〜」と思ったのをよく覚えています。
その製造にあたりSunday’sブランドを代表して来日したのがRaphael Holzer
のちにFernet Hunterを生み出す張本人です🇦🇹
これを機に私は毎年yardbirdを訪ねて香港に行くことになります。
たくさんの人がyardbirdで美味しそうにCOFFEE SHOCHUを飲む姿を初めて見た時の感動は今でも忘れられません🇭🇰
何度目かのyardbirdで、鹿のラベルのとにかく良い匂いのするお酒を振る舞われたことがありました
「俺が実家で作って…」と誇らしげに語るRaphael君のソレはFernet Hunterと言って、
スペシャルティコーヒー的観点から申し上げると、非常にクリーンカップに優れた繊細で美しい味わいのお酒でした。
製造する当の本人を知っているので、しばしば直接送ってもらっていましたが、
2022年のある日
「そういえばこんなに美味いのにまだ誰も輸入してないの⁇わしやろか⁇」
という私の一言から始まり、当店は遂に『洋酒の輸入販売』という別事業を構えることになりました。
薬草酒の輸入難易度は非常に高く困難を極めましたが、取り掛かって半年強、無事初めての輸入を終え、
昨年度はHard Peach Teaもご好評いただき、Fernet Hunter、Granit、Cacaoは今や日本中の素敵なバーの皆様にご愛用いただいており、
そして今回オリジナルボトルをリリースするに至ります。
Sunday’s COFFEE SHOCHUを始め、チョコレートやナッツバター、様々混ぜ物を作る経験をしてまいりましたが
美味しいもの同士を混ぜるだけで相乗効果を得るのは非常に難しく、「これやったら混ぜんでええやん」となりがちです。
カフェモカひとつ、エスプレッソトニックひとつとっても厳しく取り組む自負がありますので
今までリリースしてきた『コーヒーを混ぜる開発』においてはどれもご好評いただいてきたことと存じます。
Fernet Beyond
これはまさに、そんな私の10年の歩みの結晶、集大成と言えます。
混ぜることに対する経験値と類稀なセンス、それを可能にする適切な焙煎技術。
繊細で美しい味わいの薬草酒、ともするとそれを飲むだけではコーヒーと相性があるようにも感じづらいかもしれませんが、
事細かに味の要素を分析し、風味の相乗効果がありそうな焙煎豆を抜擢して浸漬。
Fernet Hunter由来のハーブ、スパイス香が、コーヒー由来の華やかさ伴うアロマと複雑に絡まり合い、
ボディをふくよかにさせながらも繊細さを保っています。
やがて追いかけてくる層の厚い甘さは余韻の心地よさを増幅させ、美しいままに消えていきます。
斯様な素晴らしいお酒を、10年前の最初の取引先の相手その人と共に作ることになるとは
とんでもない伏線回収、まるで一編の美しい詩のようです。
現存するコーヒーリキュールとして圧倒的に最も美味しく優れた完璧なプロダクトであるかと存じます。
このための10年間だったと言って差し支えありません、
まずはぜひ常温にてそのままお楽しみください。
たくさんの方に飲んでいただけますように🙏
Fernet Beyond
29%vol.
7,700JPY / 700ml
1,000JPY / 50ml